小川流の歴史
現家元紹介
◇煎茶の知識

 ・小川流の手前
 ・煎茶器
 ・茶葉
 ・御茶菓子
 ・煎茶と文人
 ・煎茶書の紹介

◇煎茶の空間

 ・小川流三清庵
 ・参鷺庵
 ・後楽堂
 ・一味同心
 ・文人好みの茶室
 ・中国の間


 「随所に茶を煮る」のが、古くから伝えられている煎茶の楽しみ方で、茶室へのこだわりを持つことは、煎茶家らしからぬということにもなりますが、随所に随意にという気持ちを忘れず造られた茶室。売茶翁高遊外のもっとも重視した煎茶の空間は、「山林の面白き所、水石の清き所」が理想とされていますが、それは又隠逸的な文人や詩人の追い求めていたものと共通していました。煎茶そのものが、中国渡来の新しい喫茶方法であったことから、当然空間の意匠も中国の喫茶の世界に多く学ぶものでした。

 中国の「茶疎」には、「高燥明爽(こそうめいそう)にして閉塞(へいそく)せしむなかれ」とありますが、その注意を最大限に取り入れ意匠したのがこの茶室です。もっぱら自然の美を 享受する受け身の側にまわり、敷地内の眺望の一番良い場所を選んだのも、「茶歌」で有名な唐代の詩人廬同の言う「清風」を「両腋(りょうわき)」一杯に受け、脱俗の世界、蓬莱山への思いをより強く示したかったからでした。偏額の文字は命名者の歴史家奈良本辰也氏、刻字は版画家の木田安彦氏によるものです。
 「三畳に踏み込み床、文机を兼ね備えた書院が付き、天井、落掛、柱に面白い木材を使い平成の文人趣味の煎茶席を造り出しました。両側の戸を開け放つと自然と一体になり、深山幽谷に居る心地がします。

 煎茶の世界で素晴らしい茶味を得るには、三清といわれる火・水・風の三つの自然が協和した働きが大切。この三つを象徴する意匠を、窓に表現し、自然の恵みへの感謝を込めてあります。

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