東京・塩瀬教室 岡村充楽

 平成19年2月4日、表参道に程近い“ウラク青山”を会場として新年祝賀会が開かれました。早くも初春の息吹が感じられる陽光のなか、御家元をお招きしての東京・横浜教室の合同新年会も7回目を迎えました。
 賑やかな歓談、笑顔のなか、石川美楽さんの司会で、まずは会場の“ウラク”は、織田有楽斎が由来であり、お茶にも縁が深いなどの説明があり、祝賀会が始まりました。

 御家元による特別講演のテーマは、『煎茶文化の端を開いた流祖後楽翁の足跡』について、当時の世相をまじえた当意即妙なお教えに感銘を受けました。とりわけ、決然として医術から煎茶家に一家を成した経緯、科学的、客観的なものの見方からいかに茶味を最大に引き出すか、あるいはその茶味を如何に一定にし、四季の変化に対応していくか、流祖の物事の本質に肉薄する観察眼と煎茶文化の嚆矢を開いた高邁な信念に心から敬服いたしました。また、流祖が茶葉の変化を調べる実験のため、屋敷の屋上など徘徊し、幽霊と間違われたことなど、茶味を極めんとするその情熱に思いを馳せ、小川流を誇りに思う一人として、とてもありがたく、感動いたしました。
 講演後は食事会、恒例のプレゼント交換、皆様のそれぞれのご挨拶など、たいへん和やかな雰囲気の中、暖かい時が瞬く間に過ぎてしまいました。上田明楽先生にはお忙しいなか、このような暖かな、実りある新年会を開催していただき、東京・横浜教室の生徒一同、心より感謝申し上げます。
 昨年引退したスキージャンパーの原田雅彦選手は、最も思い出に残ったジャンプを尋ねられた時、金メダルを決めたジャンプではなく、少年の時に緊張して飛んだ7メートルの初ジャンプと答えました。心のK点超え(素直に感動する事)の大切さを思います。
 私自身、10年前に出会った数滴の茶味の感動が今の励みであるように、この感動を一人でも多くの皆様と共有できるよう、初心を大切にお稽古に精進したいと思います。


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