
2008年5月18日、青葉若葉でさわやかな下鴨神社におきまして煎茶献茶祭が行われました。
当日は好天にも恵まれ、朝から初夏を思わせる一日。午前10時には清めを済まされた祭事の御行列が神官方・宮司様を先頭に社務所を出発、拝殿前へ。祝詞奏上の後、舞殿上にて可楽様の炭手前につづき御家元の献茶手前がおごそかに執り行われました。献茶碗は嘉楽様と細田師範の手で御神官にわたされ御神前へ無事供えられました。
式後、供御所と直会殿では茶莚が開かれ、300名近いお客様がそれぞれの茶味を楽しまれました。

供御所では清明手前。葵透紋の入ったすがすがしい棚に唐物の茶壷や茶托、珍しい笙型の茶則や染付の水注がならびました。おりしも今年は源氏物語が書かれて千年目とか。平安時代そのままのような御簾や座敷すだれのお部屋で、当時に思いをはせる方もあったのではないでしょうか。


直会殿席は昨年新しく作り直された建物。建材のさわやかな香りが漂っています。緑に囲まれたガラス張りのお部屋は立礼席で、小さな凸棚を使った略盆玉露手前。可愛らしい夏炉が珍しく、竹泉造の染付龍紋の茶碗や宜興製の朱泥の茶瓶と逸品がそろう中、小さな赤絵の花瓶におうち(せんだん)の花が芳香を放っておりました。銀織部〔柳原睦夫造〕には、これまた源氏にちなみ「源氏香」〔亀屋良永製〕の干菓子が彩りよく並べられました。両席とも格別のご趣向に格別の茶味が伴い、皆様名残惜しげに退出されていました。


厳かに煎茶を献じる 下鴨神社 葵祭締めくくる(京都新聞掲載記事より)
葵祭煎茶(せんちゃ)献茶祭が18日、京都市左京区の下鴨神社で行われた。雲一つない青空で汗ばむほどの陽気の中、煎茶小川流の小川後楽家元が厳かに煎茶を献じた。
葵祭を締めくくる恒例行事。午前10時、カツラの枝とアオイの葉を烏帽子(えぼし)に飾った神職らが神前でおはらいをした後、舞殿で手前が行われた。
炭手前に続き、白の紋付きと、はかま姿の家元が白磁の太極紋染め付けの煎茶器を使って、静かに煎茶をいれ、東西の二神に献じた。
境内の供御所と直会(なおらい)殿には、煎茶席と玉露席が設けられた。約300人の列席者は、まぶしいほどに青々とした緑に目をやりながら、ゆっくりと茶を味わった。