南禅寺茶会を終えて

NHK文化センター京都教室 堀井美楽

 紅葉の色づく良い季節、2011年11月5日、国民文化祭の一環として、南禅寺で煎茶会が催され、塔頭・慈氏院において小川流の煎茶会が執り行われました。お席は、NHK文化センター京都教室、メルパルク教室、梅田教室、神戸教室、名古屋教室、と合同で担当させて頂きました。

    

 当日、小雨まじりの中、山田京都府知事をはじめ約250名のお客様をお迎え致しました。お茶席は、棚一文字煎茶手前、村瀬栲亭の「茶籃銘并序」。それに合わせて、提藍を花器に見立て、野菊を五種いけられました。
 可楽家元嗣のご提案で大広間の障子が外されると、前方より広がる素晴らしい日本庭園が現われ、空間の広がりがより一層このお茶席を素敵に輝かせてくれました。

    

 「お手前の順番は、京都教室から」と細田先生よりご指示があり、その瞬間から緊張が走りました。さあ一席目、張りつめた空気のもと、まだ身も心もその空間に馴染まないまま手前座に進み、「一煎差し上げます」の挨拶の後、お茶碗を手に取り上げますと、不思議とスーッ落ち着いて参りました。以前、御家元が「お客様がいくらいらしても、お道具と向き合えば、普段のお手前が出来ます。」とおっしゃった意味を、少しですが体感したように思いました。
 後見をして下さいました可楽家元嗣の和やかなお話を、お席の皆様一同聞き入っておられました。このような中で、お手前をさせて頂いている幸せさを、噛みしめておりました。
 今年より始まりました京都新聞での御家元の連載を拝見しておりますと、お煎茶の歴史の重みを感じます。益々、小川流の美味しいお茶と美しいお手前に魅力を感じます。これからも精進して参りたいと思います。
このような記念すべきお茶会に参加出来ました事、大変光栄でございました。御指導下さいました先生方に、厚く御礼申し上げます。

    

    

 


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